トップメッセージ

ご挨拶 / Greeting

代表取締役会長兼社長 土井 春彦

Message from the CEO~ 株主、投資家の皆さまへ ~

代表取締役会長兼社長 土井 春彦

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご支援を賜わり、厚く御礼を申し上げます。
決算のご報告とともに、当社グループを取り巻く事業環境や現在の取り組みについてご説明いたします。

■ 日本:製造系/技術系アウトソーシング事業を取り巻く市場環境について

日本市場では、国内景気が堅調に推移する中、有効求人倍率が44年ぶりの1.62倍になるなど、底堅い内需にも支えられ、メーカーのみならず、ITや建設、コンビニエンスストアなどのサービス業においても、人材アウトソーシング業界の活用ニーズは非常に旺盛でした。
また、本年に入り、2013年4月施行の改正労働契約法や2015年9月施行の改正労働者派遣法の規制により、いわゆる雇用の「2018年問題」が顕在化しはじめました。
製造工程では、メーカーが自社雇用する期間工の活用から派遣活用へのシフトが加速しているのに加え、2017年11月施行の技能実習法により、技能実習期間が最長3年から5年に延長されたことから、外国人技能実習生に対する需要も拡大しております。
技術者派遣などの特定派遣は、これまで届出をすることで行えましたが、労働者派遣法改正により許可制に統一され、また、許可する条件として重い財務要件や教育研修の提供、雇用の安定化への取り組みを求められるなどの負担が増した結果、会社売却や事業売却の動きが拡大し、業界淘汰が進行しております。こうした動きは、IT系の領域でも見受けられます。

■ 日本:国内特需獲得のための当社グループの取り組み

労働契約法や労働者派遣法の改正には、人材アウトソーシング事業者が安定雇用を創出し、維持する存在になることへの大きな期待が込められていると考えます。同時に、法改正などによる事業環境の変化は、当社グループに対して特需的ニーズをもたらしています。
こういった期待やニーズに的確に応えるために、当社グループは、独自スキームである「PEOスキーム」や「外国人技能実習生スキーム」、当社グループの教育機関であるKENスクールを活用したIT系・建設系「エンジニア育成スキーム」、さらに業界淘汰の流れで撤退する派遣事業者の取り込みを戦略的に推進しております。
製造系分野では、「PEOスキーム」が顧客からも高く評価されております。メーカーなどが直接雇用する期間社員の雇用が5年を超える前に当社グループの正社員として受け入れる「PEOスキーム」は、メーカーニーズに応えるだけでなく、働き手は派遣期間の制限を受けないため、長期にわたり安定して仕事ができるというメリットがあります。
技術系分野においては、KENスクール活用の独自の「エンジニア育成スキーム」により、未経験者を教育して配属し、1年後には正式なエンジニアにキャリアチェンジして契約単価を上げるスキームを推進しております。「PEOスキーム」、「エンジニア育成スキーム」は、一人当たり採用費用の上昇を抑えながら順調な増員を実現しており、国内事業の収益成長のけん引力となっております。

■ グローバル:景気の影響を受けない事業領域の創出

日本のメーカー向け国内人材サービス市場は好調ですが、それは労働関連法改正による特需や自動車業界で今後数年以内に発表予定のEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッドカー)の新モデルの設計・開発など、一過性の需要に支えられており、人口減少傾向にある日本市場において、長期的な成長は望めないと考えています。
一方、世界の人口は現在の76億人から100億人以上に増加していくと予測されており(※1)、労働力を必要とする国と、それらが潤沢な国との需給ギャップは拡大していくと考えられます。こうした状況に鑑み、グローバルな人材の流動化の体制を構築しておくことが今後の継続的な成長へ向けて重要だと判断し、本年5月に、欧州における人材流動化スキームを持つオランダOTTO Holding B.V.の発行済株式の56%を取得しました。今後は、2017年1月に買収したドイツのOrizonグループをはじめとした欧州グループ各社とのシナジーにより、欧州全域にわたる業容拡大を図るとともに、欧州以外の地域における国境を越えた人材流動化を実現する体制の強化を続けてまいります。
そのうえで、国内を含めたグローバル展開において当社グループは、米軍施設向け事業、公共関連アウトソーシング事業、グローバルペイロール(給与計算代行)事業などの景気変動の影響を受けにくい事業の拡大を推進してまいります。

※1 国際連合「世界人口予測・2017年改訂版 [United Nations (2017). World Population Prospects: The 2017 Revision.]」

図:当社グループのグローバル展開の概要

■ 投資家、株主の皆さまへ

こうした取り組みの結果、当上半期は、期初予想を上回る収益を達成しました(IFRSベース、売上収益:前年同期比31.5%増の1,390億99百万円、営業利益:同41.3%増の49億08百万円)。特に営業利益は、日本国内での新卒社員の配置前教育費用や海外でのOTTOグループM&A費用など成長投資費用を、事業規模の拡大や高単価受注の拡大で吸収して成長を実現しました。通期に向けても、この成長軌道をまい進してまいります。
当社グループは、今後いかなる環境変化や大きな不況に直面しても雇用を維持し、さらに創出することで、戦略的な成長を実現したいと考えております。そのためにも、日本の国内市場の既存分野における成長に固執するのではなく、ベンチャースピリッツをもって、グローバル事業ポートフォリオの多角化を実現し、組織的かつ体系的に成長戦略を実行してまいります。
株主、投資家の皆さまには、新たな成長機会を着実に捉え、グローバルに進化し続ける当社グループを変わらずご支援いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
今後の展望